《昔から…》病前気質というのは、昔から言われてきました。うつの病前気質は、対人関係を大切に感じるタイプとか、統合失調症の病前気質は、内気で生まじめ、対人関係は、どちらかというともともと興味がないとか…。
《反応性愛着障害》反応性愛着障害というカテゴリーがありまして、反応性愛着障害は、症状がまっぷたつに別れるのです。かたいっぽうは、やたらになれなれしいタイプ、もうひとつは人間関係を遮断してしまうタイプです。これは、もともと人間好きか、そうでもないのかという二つのタイプの性格傾向があったところへもってきて、愛着障害という心の傷がそうした傾向性を強化したのではないでしょうか。
《近づきたいけど近づけない》クライアントさんのお話をいろいろと聞いていると、この病前気質というのを思い出さざるを得ません。たとえば、多重人格障害の方は、かなり明るめ、パニック発作の方も明るめですね。躁うつ病の方は下地の気質も軽躁状態の部分を感じさせることがあります。回避性愛着障害の方の症状は、とても複雑にあらわれることがあります。いったい人恋しいのか、人に興味がないのかさっぱりわからないことも。近づきたいんだけど、近づけないという両方の要素が複雑に入りくんでいる場合があるようです。