《気質はかなり強い》アダルト・チルドレンの方をふくめたカウンセリングを行なってきて、つくづく感じることは、アダルト・チルドレンの方のもともとの気質は、かなり強いのではないのかということです。
《十年以上》十年以上、アダルト・チルドレンの方たちのなかで、過ごしたり、カウンセリングをしてきて、間違いなく感じることは、彼らがいろいろなことを大変よく覚えていたり、対人関係で、よく気配りができ、いろいろなことが見えているということです。細部にわたってさまざまなことを記憶しているので、カウンセリングにも向いています。
《過去にこだわる》彼らは粘り強く生きぬいてきて、かつ記憶が風化していないので、加害者的な親から、「しつこくよく覚えているなあ」と、ここでも人格否定されてしまったりします。これに対して統合失調的な分裂質気質圏の方たちは、あまり過去のことにこだわりません。
《人格変化は》統合失調症の方は、「あのとき親からこう言われた、こういうことをされた」などという類(たぐ)いの記憶はほとんどありません。さっぱりとしているように見えます。彼らの中にもカウンセリングを好む方がいらっしゃいますが、現在に災(わざわ)いしている古い記憶はない方が多いので、話したことによるすっきり感はあるのでしょうが、カウンセリングによって根本的な人格変化はあまり期待できないようです。