《フロイトが創始者》精神分析は、現在では一般名詞のようになっているような印象があります。心の分析の代名詞、といったところでしょうか。ところが精神分析とは、本来は、フロイトのはじめたお話し治療の方法で、カウンセリングとは、別のものなのです。
《カウチに寝そべり》まず、精神分析では、治療者とクライアントは、向き合いません。クライアントは、カウチ(長いす)に寝そべり、その背後に治療者がいて、話の誘導も質問も返事もいっさいなし。心が思いつくままに自由に話します。それも毎日。必然的に大変高額になり、金持ちしか受けられませんでした。
《精神分析家はほとんどいない》フロイトの書き残したものを見るとそれでも、それなりの成果があった場合もあるようです。日本で精神分析をする治療者は現在ではほとんどいないと言われます。それでも、数少ない精神分析家のところに通っていた方のお話しによると、質問、テーマ等ほとんどないので、通うたびに何を話そうかと考えていたと言います。
《過去も問題》現在日本でカウンセリングというと、来談者中心療法と言われるロジャーズ式のカウンセリングがほとんどのようです。クライアントは、カウンセリングによってしぜんによい方向へ向かうという見立てによっています。当カウンセラーは、それに加えて、クライアントの過去が悪い影響を及ぼしていると感じたら、それを除去する方法をとります。これによってちょっとつらい場合もあるけれど、根本治癒に向かうことが多いようです。