子どもの幸せや、成功は無条件で親の喜びかというと、そうでもない親もいます。交流分析という心理学の分野でも、成功しろという親のメッセージの裏には、失敗しろという裏メッセージが隠れていることがあるといいます。
子どもが漢字を知らないといっては喜ぶ親、子どもが何か失敗しては「あははッ」と笑う親、小学生の子に依存して面倒をみてほしいという親、受験競争が大好きで、子どもの尻をたたき続け、そうして子どもが受験に失敗したくだりを聞いていると、失敗しろという親の裏メーッセージに応えたのかなと思ってしまうことがあります。わが子であっても友人であっても、成功を心から祝福できない病理は、まず自分自身が満たされて生きてこなかったという背景があります。余裕がないのです。これは、つまり親自身が親に受け入れられなかったという感覚と関連があります。