心理学ニュース

65、アダルト・チャイルドの原因で一番多いのは?

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《実感ですが》暴力、近親姦など、機能不全家族に吹きすさぶ嵐にはいろいろありますが、アダルトチャイルドになる原因として一番多いと実感的に感じるのは、お母さんのグチのたれ流しではないでしょうか。統計をとったわけではありませんが、クライアントさんとの話、アダルト・チルドレンを日本に紹介した斉藤学先生のクリニックのメンバーなどで構成されているJUSTの仲間たちとの語らいなどから、「やっぱり原因は母親よねえ」というのが、まごうかたなき実感といえます。

《母のグチのたれ流し》世間から見ると、虐待や近親姦はやや非日常の世界。(実態は一般に想像されるよりも多いと思いますが…)母のグチのたれ流しは日常的な風景と言ってさしつかえないでしょう。じっは、ここにアダルトチャイルドの温床があるのです。お母さんは、我が子だけには自分の苦しみを知ってほしいと思い、グチを言うのでしょう。あるいは、子どもを味方につけようとして、つらさを吐き出すのでしょうが、子どもへの想定外の効果があらわれるのです。

《幼いころからの刻印づけ》子どもはお母さんが大好きです。お母さんが苦しんでいるのを見続けると、この状態をなんとかしたいという気持ちが幼い心に刻印されます。この刻印づけは、大変強いものです。生涯のパートナー選びにもかかわってきます。お母さんのグチのたれ流しを聞いて育った子は、育った家庭で抱いた気持ちを再現できそうな伴侶に魅かれる傾向があります。それは精神的に健康な異性ではなく、「この状態をなんとかしてあげたい」と感じるような人に強烈に魅かれることがあります。いわゆるダメンズ・ウォーカーであり、共依存です。機能不全家族に育った方がかならず共依存になるのではなく、ふつうに健康な異性と結ばれる方もいます。

《お母さんが健康ならOK》子どもは、愛と保護を与えられて育つ必要があります。問題児が現れると、甘やかしたからいけない、厳しく育てなければ、という論評があるかもしれませんが、それは間違っていると思います。虐待を受けている子の中には、ものすごい量の家事をやらされている例があります。世間的には、びっくりするようないい子たちです。しかし、子どもに過度のおとな役割りをさせるのは、よいことではありません。こういう子は、幸せになることを生涯の希望として育っていくでしょう。しかし、現実には、不幸を再現するような結婚生活に陥ることが多いようです。幸せのにおいを嗅ぎ分ける嗅覚が育っていないと言えます。しかし、たとえばお父さんがかなり、病的でも、母親が精神的に健康なら子どもにさほどの悪影響はないとぃえます。

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