「28、2ちゃんねるは斉藤学先生が嫌い?ーその1」で、精神科医などから「親子関係はどうでしたか?」ときかれてムッとして2ちゃんねるに怒りを書きこんでいるらしい人がいた書きました。これについて考えてみましょう。まず第一に普通に良い親子関係であればムッとしません。マイナス要素を否認したい心がどこかにあるのでしょうね。否認の内容はおそらく、「親に傷つけられて育った」「ひどい親だった」「愛されたかった」などでしょう。
こうしたあまりかんばしくない親子関係を否認したい心情はよくあることなのです。こういう心情をあらわす言葉として投影的自我という心理学の言葉があります。かいつまんで言うと自分がかわいそうな存在だと認めたくないばかりに他者にかわいそうな存在という感情を投影して、他者をいたわったり奉仕するという精神構造です。しかし否認がすべて投影的自我の現象になるとはかぎりません。そうした心の現象があるということです。