《患者のためのスペース》さる精神科医が患者さんのために解放しているスペースでのできごとです。そこでは、患者さんは、ゴロゴロしてもよいし、患者同士で語らってもよいし、寝てもよいのです。そして、スペースのいっかくに電話が置かれ、電話相談もしていました。
《相談を受けると回復に》電話相談は、相談をする人のためにもなりますが、主意は、相談の受け手になることが精神症状の回復につながるからなのです。いろいろなタイプの精神症状に有効なようです。劇的に変わった人を目撃したこともあります。まあ、この方は、症状も軽かったのですが…。
《身内のパニック発作》当カウンセラーは、そこの電話相談の受け手として足繁(しげ)く通っていました。ある時、当カウンセラーは、近い身内にパニック発作のある人がいることをその場でだれかに話しました。その時のことです。当カウンセラーの身内のパニック発作を小耳にはさんだその場のほとんど全員、おそらく20~30人がものすごい喜び方でうれしがったのです。バンザーイといった感じです。
《親しい青年も》私が親しいと感じていた事務局の青年など、床を水泳のクロールのスタイルで泳ぎながら喜んでいました。私はあ然としました。後に友人となった他の患者も何年も前のできごとなのに、印象深く覚えていたようです。
《それほど健康でも幸せでもないのですが》まあ、患者さんたちのマイナスの嫉妬パワーってすごいですね。怒るというよりも、やはり驚き、あきれてあぜんとしたというのがそのときの印象です。私がよく知らない人まで、私のことを観察し、感じていたのでしょうね。私をよほど健康で幸せだと感じていたのでしょうか。じっさいはそれほど幸せでも健康でもないのですが。