《大したことではなさそうでも》子どもにたいして、受容的でない、暴言を吐く、虐待的など、子どもを愛情をもって育てることのできない機能不全家族の親の仕打ちのなかで、一見虐待的なのかどうかわからない行為のなかに、ある種の共通性があります。
《プライバシーを尊重できない》たとえば子どもの日記を盗み読む。それから入浴中に断りもなしに何か用事があったのか入ってくる。これは子どものプライバシーを尊重する姿勢が欠けています。「ちょっと失礼。……したいんだけど」と言うべきです。
《性的な成長をからかう》子どもの性的な成長をからかう。「おっぱいが大きくなった」とか。これは男親だけでなく、母親も通常常識が欠けているうえに、自己評価が低く、娘の性的な成熟が脅威なので、娘の裸をじろじろと観察したりします。
《家柄をほこる》それからどんな高貴な家柄か知りませんが、ものすごく名家のように家族内で吹聴する。そして子どもの婚約者の家などの格下げをはかる。それから娘の良縁を喜ばない。それどころか良縁を無理矢理やめさせる。あるいは、
《子どもの嘔吐》子どもが風邪をひいて嘔吐したときなどに、「気持ちが悪い」と大きな声を出していやがる。たしかにわが子でも嘔吐の後始末はだれでもいやなのですが、通常そういうことは思いやりから、口にしません。これは、親の心が成長した大人の心になっていないからといえます。
《健康な大人の心でない》こうしたことのひとつひとつは、一見すると大したことではないように感じられるかもしれませんが、機能不全家族ではありがちなことです。親が健康な大人の心を持っていない証(あか)しといえます。