《好印象がいつまでも残る》時々別れた恋人のことがどうも忘れられないという電話をよくいただきます。ほとんど稼ぎがなく、結婚は無理なような恋人です。よく聞くと、これがアダルト・チャイルドの男性たち。馴れ馴れしかったり、支配したりコントロールしたりと、はなはだ魅力的に映ったようなのです。そこで、生育歴とその人の生きづらさとの関係についてお話しすると、納得されます。
《理解してあげれば治る?》そこで、女性たちは、自分が心から理解してあげたら、彼は立ち直れるのではないのかと、おっしゃいます。たしかにもともと心身が強かったり、傷が軽ければ、よいパートナーに恵まれると問題なく幸せに暮らしていける場合もあります。しかし、仕事につけないというのは、それほど軽いレベルではありません。パートナーの対応だけで、よい方向に変化するのはむずかしいでしょう。このレベルの方の自然治癒はありません。専門家の介入が必要です。彼自身が、自分の問題と過去に向き合うことができれば、変化が可能です。
《自分の傷と向き合えるのか》しかし、問題がひとつ。社会が悪い、相手が悪いと呪っている人が、自分こそ変わる必要があると考えてカウンセリングに行きつくのは、容易ではないということ。もしも、カウンセリングにたどりついて、親子関係についてふり返りができれば、ある種の納得とともに心が落ち着くのですが…。
《共依存の場合は変化も》アダルトチャイルドで、共依存同士のカップルの場合は、少し様相が異なります。パートナーの片方がカウンセリングなどで、変化するとそれが敏感に共依存の相手に伝わります。大変敏感な方達同士ですから、変化は確実に伝わるでしょう。それがパートナーの変化につながるのか、確証はないのですが、なんらかの話し合いにつながるかもしれません。