事例紹介

17、教師による性暴力。被害者が仲間の被害者を探しています。

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はじめてその方から電話をいただいた時、ろくに話せない様子でした。しかし、性的虐待のドキュメンタリー『フラッシュバック』を出版したことのあるカウンセラーは、ピンときたのです。それでしんぼう強く耳をかたむけました。

つらい被害体験そのものについても、話してもらいました。回復には欠かせないからです。数年たった今では、しっかりと話せるようになっています。心身が固まって生き抜いたなごりは少し残っていますけど…。事件から20年近くたっても、いろいろな精神的後遺症が残り、性暴力の残酷さを思い知らされます。

彼女自身の生育歴に少々触れておきます。クライアントさんには、年子の妹がおり、妹が生まれると同時にこわいおばあさんが母代わりになって育てました。安心安全でない家庭環境で育てられた彼女は、自分はアダルト・チャイルドだったと自覚しています。学校でもいじめられました。

そして高校生の時、教師が自宅に忍んできたのです。お母さんと妹がいっしょに寝ている部屋で、それはおきました。担任ではなく、よく知っている教師でもなかったのですが、それが誰かわかったそうです。寝ている彼女に「好きだ」とか言い、体中をさわりました。恐怖で乖離していたのか記憶がとだえています。体中さわったあと、教師は、彼女の家でいまわしいものを放出していきました。そして驚いたことに、居間にあった食べ物を食べていきました。

彼女の被害に寝ていて気がつかなかった母ですが、事のしだいを知ると「巡査のとこさ行こ」と彼女をうながしました。しかし、呆然としていたため、行くことができませんでした。一般的に性被害の体験を話すのはだれでも躊躇します。

その後、彼女は明らかにおかしくなりました。原因があるのに、誰にも話せないまま、彼女自身の精神疾患と思われました。統合失調症という誤診もあり、山のような二次被害も体験しました。もともと手くせの悪いことが評判の教師で、彼女とのことを同僚にもらしていたようです。同僚の教師は「彼女が悪いからあたりまえだ」というようなことを言いました。それを聞いて私は、怒りました。「生徒が悪いから、そんなことをしていいなんてことがあるもんですか」と。すると「彼女はええっ、そうなんですか」と驚きました。このように重いPTSDを浴びると、自己評価が下がり、自分をトラウマにふさわしい程度におとしめてしまう心の動きがあります。

精神科医のS先生は、そういう教師は他にも余罪のあることが多いと言いました。彼女は、その暴力教師の被害者が他にも、いるのではないのか、もしもしそういう方がいるのだったら連絡を取りたいと言っています。東北地方の姓名がT・Kという高校教師の性暴力に合われた方はいらっしゃいませんでしょうか?もしも、おられたならご一報いただけたらと思います。

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