創業者の家族という地位を利用して関係会社から、ギャンブルのための多額の金を融通させた製紙会社の前会長が公判で、ギャンブル依存症の診断を受けていたことが明らかになりました。ギャンブル依存は、プロセス依存の一つで、行為の過程(プロセス)における高揚感に燃えてやみつきになるようです。
プロセス依存は、ほかに買い物依存や万引きなどがあります。万引きはクレプトマニアといって窃盗症と訳されます。これらの依存症は、アルコール依存や薬物、恋愛依存など多種多様な依存症のひとつなのですが、またアダルトチャイルドの方の広範に発症する症状のひとつでもあります。
依存症は、ほかの依存症に変化することがあるので一概には言えないのですが、依存症の方たちやそれぞれ問題を抱えた方々の集まりの様子を見ると、対人関係はごくよさそうな方たちの集まりや、思いっきり親切そうな方々等いろいろといらっしゃるなかで、ギャンブル依存の方たちは、じょうぜ舌で、表情たっぷりというよりは、ややおとなしめなのではないのかと思います。そういった印象を受けました。
前会長の写真や映像で感じられるように静かに黙っているような方が多いようです。記事によれば、子ども時代からはるかかなたの東京まで飛行機などを利用して塾に通っていたとのこと。このような事実からカウンセラーは次のように考えます。子どもが自分で希望してはるかかなたの塾に通うことを選ぶわけはない。これは、親の決定であると。ここから考えられるのは、母親自身の自己肯定感の低さです。母親自身の自己肯定感が低いと、子育ての中で子どもが自然に自己肯定をしていく作業ができにくくなり、子どもを母親の自己評価を高める代走ランナー的な方向へと誘導することが多くなります。おそらく問題のはるかな端緒はここらあたりにあるのではないのかと思います。
いずれにしろ依存症は、自分には依存症の問題があることを自覚することが立ち直りの第一歩です。「次には取り戻せるさ」とか「借金できるのも信用があるから(借金依存)」などと、うそぶいていたら回復はおぼつきません。飲酒運転をする人もアルコール依存症の人がふくまれていると言われますが、依存症であれば飲酒運転の撲滅キャンペーンも上の空でしょうね。「自分のこの状態は問題がある」と考えられるなら半分は治ったのも同然といわれています。