心理学ニュース

98、家族療法のわかりにくさについて

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《あるパーティーで》あるパーテイーの席で、カウンセラーの方と、話していてその方はかなり手練(てだれ)のカウンセラーのようでしたが、「家族療法がわからない」とおっしゃいました。当サイト運営者は、家族療法の資格である家族相談士を持っているのでそのカウンセラーさんに説明しました。たしかに家族療法はわかりづらいところがあるので、ご説明してみたいと思います。

《世代間境界》家族療法は、集団のカウンセリングではありません。家族療法でくどいほど言われるのが、「世代間境界をひく」ということです。世代間境界って何?という疑問がわくのは当然です。じっさいの家庭に即して言えば、親子の境界線をひくということです。親が子どもの領分に立ち入り過ぎないように、具体的な提案をするのです。

《母による支配》よくあるのが母子カプセル。つまり母による支配です。支配と愛は、時々似ているのです。母は子のためによかれと思って、いろいろと指図します。ところが、これが母自身のトラウマに根ざした支配欲からくるものがあります。

《家族療法は原因は追求しない》家族療法は、原因についてはあれこれ問わず、たとえば両親の仲を修復して、親子間に適切な距離をとらせるという方法を用います。そうすると引きこもりなどが回復することがあります。そのためにさまざまな提案をします。

《なぜコントロールしたいのか》人は、傷ついて育つと、その傷つき体験から今度はまわりの世界を完ぺきに支配してコントロールしようとする思いが生じます。支配とコントロールの対象はさまざまですが、母親の場合わが子だったりします。そうすると子どもに症状が出るのです。家族療法では、このようなことには言及しません。

《アダルトチャイルドの理論が有効》アダルトチャイルドという視点を得てはじめて支配とコントロールの知見が得られるのです。じつは私も、アダルトチャイルドの理論を使いこなせて初めてわかったのです。人間の不思議に胸うたれます。

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