《フロイトが提唱》フロイトの提唱したエディプスコンプレックスは、父と息子との葛藤ですね。これは、思春期に近づいたころから起こる母をめぐって息子が父に抱く葛藤です。これって女の子には関係がないんじゃないの?と思われるかもしれません。むしろ重要なのは、母子関係だけって思ってしまいがちですね。
《限界設定》しかし、女の子にとっても、父親は、立ちはだかる社会の壁として機能する必要があります。父親は、掟(おきて)であり、社会の壁であり、限界設定として存在したほうがよいようです。
《万能感》カウンセリングでよく、万能感があったり、世界を支配したいという野望があったりして困っている方がいます。たとえばある程度の年齢になっていて、その年齢から出発するのは、どのように考えても異常な大志、不可能な望みとわかっているのに、そういった望みにしか人生設計とそれにともなう努力のスイッチが入らない、という人です。
《父親が溺愛》そういう方は、よく聴いてみると、たいてい、父親に溺愛されたとか、存在感がきわめて希薄だった父親につき当たります。父親が限界設定として機能していないのですね。一般的に言って幼いころは、だれでもスーパーマンだったり、機動戦士なんとか、になる夢想を抱けます。
《エディプス期以前》挫折を体験していなかったり、挫折体験が活かされない人をエディプス期以前にいると評したりするのは、そういうことから来ているのです。幼いころは、だれでもスーパーヒーローになれる可能性があります。ほどよく立ちはだかる社会の壁としての父親がいると、挫折体験がよい経験として活かされていくでしょう。