親が機能不全的だとわかった場合、多くの方は親とこれまでと同じようにつき合うのが苦しくなります。正確に言うとそれまでも苦しかったのですが、その苦しさをはっきりと自覚するようになったというのが本当でしょうか…。しかし、つき合いを断ったら、相続のうえで悪い扱いをされるのではないのかと心配される方がいます。
でも、どっちみち同じです。献身的につき合おうが、疎遠にしていようが、機能不全的な親は気まぐれですから、親の要求どおり献身的にして良い関係性を保っていたからといって、評価を正当に相続に反映するとはかぎりません。
相続には、遺留分という制度があります。親があなたに何一つ残さないと遺言した場合でも、法律上決められた取り分の2分の1の権利があります。
まず、相続が発生する状況になったら、パートナーなどといっしょに相続財産がどのくらいなのか、自分の扱いはどうなのか見きわめましょう。非常に不利な扱いの場合、自分は不利に扱われない正当な権利があることを、肝に銘じ、特有の自信のなさから、不利な扱いをしぶしぶ認めたりすることのないようにしましょう。
そのうえで専門家に頼むかどうか決めましょう。アダルトチャイルドの方は、粘って自己主張をすることが苦手ですから、少し主張してうまく主張が通せそうもなかったら、専門家に依頼するか、相続財産が専門家に支払う謝礼よりも少なそうだったら、主張をやめてしまうのもひとつの選択です。心の平安を保つためには、そのほうが良い場合があります。