心理学ニュース

25、今も残る夜這いの影響

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昔の日本には、夜這いという習慣があった-こういう知識を多少持っていたとしても、へえーっという程度でスルーしてしまわれる方が多いと思います。ところがいまだに、夜這いの遺風の影の中で暮らしている方がいるのです。かなり年配の方で、おばあさんに育てられたという時代の話のなかに時折りあるといった年代の話です。

関東近辺ではこのような話はうけたまわってないのですが、ある方のおばあさんの娘時代の話なのですが、ある時寝るために自室に戻ると部屋に男がいたそうです。夜這いにやってきたようです。考えてみると夜這いはたしかに、レイプと同じです。レイプは重罪ですが、夜這いだとたんなる慣習程度の位置づけです。夜這いに会った方のその後は、レイプ被害者の後遺症と変わりがありません。じん大な被害があります。ご自身もそうですが、娘に女らしい服装は、いっさい許さないで黒づくめに近いかっこうをさせることもあります。さらにレイプ被害者は、自尊心がいちじるしく低くなります。うつになったり、怒りがわいてきたりと、一生の精神衛生上好ましくないことがけっこうあります。さらにそういうおばあさんに育てられた母も、似たような子育てをしたりして…夜這いは、過去の遺風と考えていましたが、今だにその影響のもとで暮らしている方もいるのです。

 

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2 thoughts on “25、今も残る夜這いの影響”

  1. 米国在住ですが、幼少のころに性的な被害にあった、グループホームに住んでいる、15歳の少女を養子にしようと進めていた時の話です。彼女は4歳のころ、実の父親に毎晩のように性的ないたずらをされていました。その後彼女は、フォスターケアの後、そのフォスターペアレントに養子にもらわれました。その家族には、彼女より2歳年上の男の子がいました。その男の子が11歳、彼女が9歳になったころ、なんとその男の子が彼女に性的ないたずら、或いはレイプをするようになったのです。彼女はその男の子から誰にも言うなと脅されていたので、誰にも言えずにいましたが、ついに教師に訴え、その男の子と家族が取り調べをうけました。親は実の男の子をかばい、彼女の非を責めました。結局彼女に軍配はあがりましたが、彼女は施設に戻ることになりました。彼女は、また養子にもらわれることをとても望んでいるにもかかわらず、いざ私たち(私と夫)と面接をするという直前にフラッシュバックが強くなり、心身ともにあれて、面接どころではなくなりました。しばらくして、やっと面接にこぎつけたのですが、3回目の面接の直前にまたフラッシュバックで面接は中止になりました。スタッフの話によると、彼女は新しい家族でまた新しい父親にレイプされるという恐怖に駆られていたそうです。その話を聞いて、この養子の件には無理があるとさとり、その養子の話をあきらめました。二度も別な機会に性的ないたずらやレイプをされたという不運も不運ですが、その精神的な傷や影響は計り知れないほど深いということを知らされました。

    1. 堀尾さま コメントをありがとうございます。じつは、性的な被害にあわれた方がくり返し似たような被害にあうというのは顕著な傾向です。私から見てそうした方の特徴のひとつは、自分を守るガードがないような感じがするということです。くり返し被害にあう原因は、諸説あります。ひとつはあまりにも耐えがたい体験なため、本人を守るために脳内に麻薬様の物質が出て、依存症になっているという説です。もうひとつは、かつて圧倒されてしまった被害をもう一度引き寄せて、今度は自分が状況を支配したいという願望説です。かつての被害者が幸福になれないというのは、あまりにも理不尽ですね。

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