事例紹介

33、近親姦の被害を受け続けた女性が、手弁当で、被害体験を語りたいと希望しています。

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《本のモデル》幼児期から、兄によって性的な虐待を受け続けて育った女性がいます。戦場帰りの父からの暴力のふきすさぶ家庭で起きた、兄による性暴力のむごたらしい連鎖。そんな中で明日への希望に生きようとする女性のドキュメントを、かつて私は『フラッシュバック』という本にしました。

《被害の後遺症》被害体験もすさまじかったけれど、心の傷の後遺症がけっこうありました。『フラッシュバック』は、それをあますところなく書いてほしいという彼女の希望にできるだけそった内容になっています。

《そして幾星霜》現在は、ある近親姦の被害の民事裁判で争われているPTSDによる後遺症についての行方(ゆくえ)に注目しています。一般的な民事裁判の権利は20年間行使しないと消滅するそうです。性的虐待と、後遺症の因果関係に、ほとんど本人は気づきません。20年以上たってからの訴訟になったので、一審は敗訴になりました。なにしろ性的虐待によるトラウマは、一生ものです。

《最近の性暴力被害の訴訟》性的被害は、ことの性質上客観的証拠類に乏しいことが多いものです。不確定情報なのですが、支援をしているNPOなどによると、ちかごろは、性的な被害の裁判ではかつての被害者は、負けていることが多いそうです。サイト運営者のクライアントも、そうした裁判について手練(てだれ)の精神科医やNPO法人に相談したら、どちらの方からもむずかしいと言われました。

《人々に伝えたい》話をもとにもどすと、今は、落ち着いた生活をおくっているその女性は、自分の身におきた悲劇は二度とおきてほしくない、そんな願いをこめて小さな集まりでもよい、お話しできたらと願うようになりました。彼女は、自分の話を聞いてみたいと思う方がいたら、出かけて話したいと願っています。交通費も自前の覚悟だそうです。もしもそういう方がいらしたら、当カウンセリングサービスまで、ご一報ください。コーディネートをしたいと思っています。

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